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記憶

なんとなく得体のしれない感情が体を支配し始めた。緊張というものに間違いないが、少し異質な感じがしてよく考えてたら…ある過去の思い出が、記憶の奥の奥の片隅に澱の様に沈んでいた記憶が浮き上がってきた。体の奥に残っていたことに驚く。 多分、今回の声楽の伴奏が会ったこともない人との本番…という過去の記憶と状況が同じだからだろう。あれは、20代後半、ようやく少しずつではあるが大きなコンサートでの伴奏の話しがくるようになったころだった。
有名なロシア人のソプラノ歌手の全国コンサートツアーが急に企画され、それぞれ現地のピアニストが伴奏ということになり本番一ヶ月前に話しが決まり、死ぬように練習した。東京公演が終わり、次の長野でドタキャン。そして福岡。前日に自分の専属ピアニストを連れてくるというあってはならないルール違反。その後各地で同じように…。自分が蒔いた種でないのに屈辱的な事も言われ、急激な練習も重なって全く手が使えなくなった。まる一年、全く演奏から離れた。一年後、先輩達が私が元気が出るようにと室内楽のリサイタルを企画してくれた。無事に終えた時、無事にステージに立てたその事だけに涙が溢れた。それからいろいろなこともありながら海外でも演奏できるようになった今もその時の記憶が体に残っていた…。でも多分、今の私は違うと思う。屈辱的なことや悔しいことを山ほど経験してきた…海外でもそうだ。私は共演者と空気を共有して、その空気に溶けていくのが好き。

とかなんとかグダグダ言ってるけど、バリトンの若林さんのほうがもっと不安かもf^_^; どんなピアニストだろう…とか、知らない土地で…とか。がーんばろっと。
by mamopy26 | 2010-10-13 19:10 | 音楽について雑記